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【2025年最新】医療廃棄物の正しい捨て方と注意点

医療廃棄物の処理は、「ただ捨てればいい」というものではありません。不適切な処分は、感染リスクや法令違反による罰則につながる重大なリスクをはらんでいます。
特に小規模クリニックや介護施設などでは、正しい知識や業者選びの判断に悩むケースも少なくありません。
本記事では、医療廃棄物の種類や正しい捨て方、処理フロー、業者選びのポイントまでを徹底解説します。コンプライアンス対応の第一歩として、ぜひご活用ください。
目次
医療廃棄物の正しい捨て方と処理フロー

医療廃棄物は、「分別・容器・保管・運搬・処分」まで一貫した管理が法令で義務づけられています。
医療廃棄物の捨て方には厳格なルールがあり、誤れば法令違反や感染リスクにつながります。感染性・非感染性の分別、専用容器の使用、運搬から処分までの手順など、医療廃棄物の正しい捨て方と処理フローを理解することが、環境の安全とコンプライアンスを守ります。
廃棄物の分別方法と色分けルール
医療廃棄物の捨て方で最も重要なのが、適切な分別と色分けルールの徹底です。医療現場で発生する廃棄物は、「感染性」「非感染性」「鋭利物」「薬品類」などに分類され、それぞれに対応した専用容器で管理・廃棄しなければなりません。色分けされた容器を用いることで視認性を高め、誤投棄や感染リスクを防ぐことができます。
分類 | 主な廃棄物の例 | 容器の色(例) |
感染性廃棄物 | 血液の付着したガーゼ、注射器、点滴チューブなど | 黄色 |
非感染性廃棄物 | 紙おむつ、マスク、ティッシュなど | 青・黒・白 |
鋭利物 | 使用済み注射針、メス、縫合針など | 赤 |
薬品類 | 期限切れ医薬品、消毒液、薬品類 | 緑・青 |
容器には「医療廃棄物」「感染性あり」などの表示を明確に記載し、密閉性・耐久性の高い材質を選びましょう。
容器・保管・運搬・処分までの流れ
医療廃棄物の捨て方にはこのほかにも厳格な対応が求められます。まず、医療廃棄物は用途に応じた専用の容器(密閉性・耐久性あり)に分別して投入し、内容物の表示を明記します。容器は飛散・漏洩防止の観点から、破損しない構造であることが必須です。
保管は屋内で行い、場所も外部から触れられない構造や清掃しやすい場所に限定されます。温度管理や臭気対策も配慮しましょう。
運搬については、許可業者が密閉容器のまま安全に搬送できるよう、荷崩れ防止の工夫を行います。運搬時には「医療廃棄物」と明記されたマニフェスト伝票を発行し、廃棄物処理の追跡管理を確実に行うことが求められます。
処分は、委託契約を結んだ許可業者が中間処理施設や最終処分場で法令に則って対応します。処理後の証明書類の保管も医療廃棄物の場合は欠かせないステップとなります。
よくあるミスとそのリスク(罰則・感染など)
医療廃棄物の捨て方について、現場では見落としや誤解によるミスが起こりがちです。よくあるのが、感染性廃棄物を一般ゴミと一緒に捨ててしまう、容器の表示が不適切、許可のない業者に処理を委託するといったケースです。
これらのミスは感染拡大の原因となるだけでなく、法令違反として行政指導や刑事罰の対象になる可能性があります。
ミスの例 | 主なリスク |
感染性廃棄物の分別ミス | 職員・利用者への感染リスク |
容器の未表示・誤表示 | 回収時の誤認、処理ミス |
許可のない業者への委託 | 廃棄物処理法違反、排出者責任の発生 |
マニフェスト未発行・未管理 | 処理過程の不透明化、行政指導の対象 |
些細なミスでも重大なトラブルに発展する恐れがあるため、スタッフ全体でルールを共有・徹底する体制作りをしましょう。
医療廃棄物の基礎知識と分類ルール

医療廃棄物を正しく処理するには、まず「どこからどこまでが医療廃棄物なのか」を理解することが重要です。
医療廃棄物とは、診療・治療・検査・介護など医療に関連する行為によって排出される廃棄物のことです。医療廃棄物を正しく処理するためには、「感染性」と「非感染性」の違いを理解しておく必要があります。
感染性廃棄物は、血液・体液・排泄物が付着したガーゼや注射器、手術器具など、人に感染症を媒介するおそれのあるものが対象です。
一方、非感染性廃棄物は、感染のおそれがない通常のゴミ(使い捨てマスク、紙おむつなど)であり、本来は比較的簡便に処理可能ですが、医療機関から出た時点で感染リスクを想定した「医療廃棄物」として取り扱う必要があります。
種類 | 主な例 | 特徴 |
感染性 | 血液の付着したガーゼ、注射針、点滴チューブなど | 感染症のリスクがあり厳格な管理が必要 |
非感染性 | 紙おむつ、手袋、使い捨てマスクなど | 感染の恐れはないが、医療廃棄物として扱う |
医療廃棄物の捨て方は、こうした分類に従って適切な容器や処理方法を選ぶことが基本となります。
医療廃棄物と産業廃棄物の違い
医療廃棄物の捨て方を理解するうえで重要なのが、医療廃棄物と産業廃棄物の違いです。どちらも「事業活動に伴って生じる廃棄物」として法的には産業廃棄物に該当しますが、医療廃棄物はその中でも特に感染リスクや安全管理上の特別な配慮が必要なものとされています。
区分 | 医療廃棄物 | 一般的な産業廃棄物 |
主な排出元 | 病院、クリニック、歯科医院、介護施設など | 工場、建設現場、オフィスなど |
具体例 | 注射針、血液の付いたガーゼ、点滴セットなど | 金属くず、廃プラスチック、木くずなど |
管理基準 | 感染予防・厳格な分別・専用容器・法令遵守が必要 | 種類ごとの処理方法に従って管理 |
法的扱い | 特別管理産業廃棄物または産業廃棄物として分類 | 産業廃棄物として分類される |
医療廃棄物・実際の事故例 事業系一般廃棄物に注射針が混入し、回収作業を行う作業員への針刺し事故が発生。 (主な原因)= 医療機関にある感染性産業廃棄物のゴミ箱と一般廃棄物のゴミ箱が隣接して設置されており、誤って投棄されたもの。(環境省発表資料より) |
医療廃棄物の捨て方には、産業廃棄物とは異なる法的な規定や衛生面での配慮が求められ、排出事業者としての責任も重くなります。そのため、医療機関では専門業者との契約やマニフェスト管理が不可欠です。
関連記事:医療廃棄物の種類と処理方法
排出責任と守るべき法令(廃棄物処理法・医療法)
医療廃棄物の排出事業者(病院やクリニックなど)には法的に明確な「排出責任」が課されています。特に重要な法令が、廃棄物処理法と医療法です。
廃棄物処理法では、医療廃棄物も産業廃棄物の一種とされ、適切な処理のために「分別・保管・委託・運搬・処分」まで一貫して管理することが義務付けられています。委託先は都道府県の許可を受けた業者に限られ、マニフェストの交付・保存も必須です。
一方、医療法では、医療施設の管理者に対し、安全で衛生的な環境維持の観点から、感染リスクのある医療廃棄物を適切に扱う体制整備を求めています。
法令名 | 医療廃棄物の捨て方に関する主な規定 |
廃棄物処理法 | 排出者責任、分別・保管・委託、マニフェスト管理が義務 |
医療法 | 感染予防・衛生管理のための処理体制整備を義務付け |
これらの法令に違反すると罰則や行政指導の対象となるため、注意が必要です。
委託業者の選び方と料金の目安

医療廃棄物の捨て方を適切に行うには、許可を受けた専門業者への委託が不可欠です。選定時には法令順守、マニフェスト対応、実績、対応エリアなどを確認し、料金体系や回収頻度の柔軟性も見極める必要があります。
処理費用の目安としては、ペール容器(20~45L)1個あたり2,000〜4,000円前後、定期契約の場合は月額1万~2万円程度が一般的です。容器の種類や量、回収頻度によって大きく変動するため、コストと安心を両立できる業者選びが求められます。
したがってコストと安心を両立できる業者選びが求められます。
許可業者かどうかの確認方法
医療廃棄物を正しく処理するには、委託先が「産業廃棄物処理業の許可」を持つ正規業者かを確認することが必須です。無許可業者への委託は排出者責任を問われ、法令違反や罰則の対象となります。
確認時には以下の点をチェックする必要があります。
確認項目 | 内容例 |
許可証の有無 | 都道府県や政令市が発行する「収集運搬業」「処分業」の許可証 |
許可品目の内容 | 感染性廃棄物など対象となる医療廃棄物が含まれているか |
許可の有効期限 | 現在も有効な期間内かどうか |
許可地域 | 排出事業者所在地・回収先が許可エリアに含まれているか |
さらに、環境省が提供する「産廃情報ネット」などの公的データベースで、業者名や許可番号を検索し、正式な許可状況を確認するのも有効です。
名刺やパンフレットの記載だけで判断せず、必ず許可証の原本確認や番号照会を行いましょう。
契約書とマニフェストの確認も必要
医療廃棄物の適切な処理を行うには、委託契約書の締結とマニフェストの管理が必須です。廃棄物処理法では、医療廃棄物の処理を外部業者に委託する際、書面による契約が義務づけられており、口頭のみの契約では違反となります。
また、医療廃棄物の処理状況を記録・追跡する「マニフェスト制度(管理票制度)」も重要です。これにより、排出から最終処分までの流れが明確化され、不正処理や不適切な捨て方の抑止につながります。
書類名 | 目的・役割 |
委託契約書 | 法令に基づく正式な委託関係の証明、処理内容や責任範囲を明記 |
マニフェスト | 廃棄物の流れを可視化し、処理完了まで責任追跡を可能にする |
現在は電子マニフェスト対応が主流となり、環境負荷軽減や事務効率化にも貢献しています。医療廃棄物の捨て方の透明性と安全性を確保するうえで、これらの書類管理は非常に重要です。
回収頻度・料金体系・コスト削減のポイント
医療廃棄物の捨て方には、適切な回収頻度の設定と、はっきりした料金体系の把握が不可欠です。施設の規模や診療科目によって廃棄物の量は異なり、不要なコストを抑えるためにも、週1回〜月1回など柔軟に対応が可能な業者を選ぶことが大切です。
料金は、基本料金+容器単位、または重量単位の従量課金制が一般的です。容器や回収頻度が増えるとコストも上がるため、効率的な運用が大切です。
項目 | 内容例 |
回収頻度 | 週1回、隔週、月1回など |
課金形態 | 容器単位、kg単位、定額制(セット契約)など |
削減ポイント | 分別の徹底、容器サイズの最適化、回収タイミングの調整 |
医療廃棄物の捨て方を見直すことで、コスト削減と法令遵守を両立できます。複数業者から見積もりを取り、比較検討することも有効です。
まとめ

この記事では、基礎知識から処理フロー、業者選定のポイントまでを網羅しました。
医療廃棄物の捨て方には、法令遵守・感染対策・コスト管理といった多面的な配慮が求められます。医療現場の安全と信頼性を守るため、正しい知識を持ち、適切な対応を行いましょう。
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