カテゴリー:産業廃棄物
医療廃棄物の種類と処理方法

病院をはじめとする医療関係機関等において医療行為等に伴い生じた廃棄物を医療廃棄物と言います。今回は、医療廃棄物の内容とその処分方法について詳しく解説していきます。
目次
医療廃棄物とは

「医療廃棄物」は、先述のとおり、医療関係機関等において医療行為等に伴い生じた廃棄物のことを言います。ただし、法律用語ではなく通称となります。中でも、人に感染するもの(あるいは感染のおそれのあるもの)を「感染性廃棄物」と言い、感染性以外の廃棄物は「非感染性廃棄物」と言います。
平成16年3月以前は、医師、歯科医師及び獣医師(以下「医師等」とする)の判断で感染性廃棄物と非感染性廃棄物が区分されていました。
しかし、国の策定する「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」が平成16年3月に改正されました。これにより、客観的に感染性廃棄物と非感染性廃棄物を区別することが可能となりました。
参考資料:環境省・感染性廃棄物処理マニュアル(外部リンク)
医療廃棄物の種類

医療機関等より排出される廃棄物は、大きく分けて「感染性廃棄物」「非感染性廃棄物」「
紙おむつ」の3種類に分類できます。以下で確認していきましょう。
感染性廃棄物
廃掃法において感染性廃棄物は、産業廃棄物の中の特別管理産業廃棄物と呼ばれる分野に属します。また、法律では「人が感染し、もしくは感染のおそれのある病原体が含まれ、もしくは付着している廃棄物またはこれらのおそれのある廃棄物」のことを指します。
尚、注射針等の鋭利なものについては、未使用や消毒等の処理をしたものであっても、感染性廃棄物となります。
非感染性廃棄物
非感染性廃棄物は、感染性廃棄物以外の廃棄物のことを言います。
通常これらは、一般廃棄物または産業廃棄物に分類され、自治体や各種許認可を有している業者が回収および処分を行います。尚、産業廃棄物と一般廃棄物に関しては、以下に詳しく解説しておりますのでこちらを参考にしてください。
関連記事:
産業廃棄物と一般廃棄物の違いとは|エコ・エイト
紙おむつ
使用後の紙おむつは、状態により取り扱いが異なります。
「血液が付着したもの」「指定感染症、新感染症、感染症法で一類、二類、三類の感染症、感染症法で四類及び五類の一部の患者が使用したもの」は感染性廃棄物の扱いとなります。
血液が付着していなく、先の感染症患者でないものは、事業系一般廃棄物(非感染性廃棄物)となります。尚、使用後の紙おむつに関しては受け入れ条件等が自治体によって異なりますので、排出時に確認をする必要があります。
その他判断できないものに関しては、医師等により感染有無を最終的に判断し分別を行います。
しかし、当該の廃棄物の感染有無の他、廃棄物の取り扱いはどのようにしたらよいか。何か処置は必要か。非感染性の処理で問題がないか。などを考慮する必要もあります。
東京都環境局より令和5年2月に医療関係機関向けのマニュアルが発刊されています。
こちらもぜひ参考にしてみてください。
感染性廃棄物を適正に処理するために|江戸川区 (PDF)
医療廃棄物も産業廃棄物と同様に、廃棄物を排出した医療機関などが責任を持って処理をすることが義務づけられています。とはいえ、他の事業同様、自分たちで処理をすることは困難です。そのため、専門業者に処理委託することとなるのが一般的です。
非感染性廃棄物は、感染性廃棄物以外の廃棄物のことを言います。
通常これらは、一般廃棄物または産業廃棄物に分類され、自治体や各種許認可を有している業者が回収および処分を行います。尚、産業廃棄物と一般廃棄物に関しては、以下に詳しく解説しておりますのでこちらを参考にしてください。
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感染性廃棄物の判断フロー

感染性廃棄物かどうかは、「形状」「排出場所」「感染症の種類」のいずれかに該当すれば感染性として扱います。判断を誤ると感染リスクや法令違反につながるため、以下のフローに沿って適切に分類することが重要です。
1.形状
- 血液等(血液・血清・血漿及び体液[精液を含む])
- 病理廃棄物(臓器・組織・皮膚等)
- 病原微生物に関連した試験・検査等に用いられたもの
- 血液等が付着している鋭利なもの(破損したガラスくず等を含む)
まず上記に当てはまるものは「感染性廃棄物」と判断します。上記には当てはまらない場合は次項を確認しましょう。
2.排出場所
- 感染症病床、結核病床、手術室、緊急外来室、集中治療室および検査室において 治療・検査等に使用された後、排出されたものである場合
上記に当てはまるものは「感染性廃棄物」と判断します。上記には当てはまらない場合はさらに次項を確認しましょう。
3.感染症の種類
- 感染症法の一類、二類、三類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染 症及び新感染症の治療・検査等に使用された後、排出されたもの
- 感染症法の四類および五類感染症の治療、検査等に使用された後、排出された医 療器材等(ただし、紙おむつについては特定の感染症に係るもの等に限る)
いずれにも当てはまらなかった場合は、感染性以外の廃棄物として処分が可能です。
排出事業者も必要な管理体制は?

医療系廃棄物の中でも感染性の廃棄物は病原体を含んでいるため、管理に際しては細心の注意が必要となります。感染事故を防ぐためにも以下の、法に則った管理体制を整えましょう。
【特別管理産業廃棄物管理責任者の設置】
医師や看護師など一定の要件を満たす者(特別管理廃棄物規制・施行規則第8条の17第1号)
※都道府県によっては設置する際に届出が必要なケースもある
【処理計画・管理規程の作成】
感染性廃棄物の種類や発生量などを把握の上、適正な処理を行うための計画を定めること、施設内における取り扱い方法などについて管理規程を作成することなどが必要
※前年度に年間50トン以上の特別管理産業廃棄物を排出している事業者は、都道府県知事に計画の報告義務を有する(廃棄物の処理及び清掃に関する法律・第12条の2第10項)
【処理状況の帳簿記載・保存】
感染性廃棄物は処理に関する帳簿を記載のうえ保存しなければならない(廃棄物の処理及び清掃に関する法律・法第12条の2第14項、法第7条第15項)
※マニフェストを活用して帳簿を作成することも可能
ご参考:廃棄物の処理及び清掃に関する法律
感染性廃棄物の保管方法

感染性の廃棄物は、以下の方法で保管するようにしましょう。
【排出時点で直接容器へ分別する】
- 感染性廃棄物は別の廃棄物への汚染を防ぐために、排出の時点で容器に直接分別することが望ましい。
- 分別したあとに梱包するので、形状別に仕分けておく。
- 液状や泥状のもの(血液・血清など)、鋭利なもの(注射針・メスなど)と分別する。
【処理状況の帳簿記載・保存】
- 感染性廃棄物は全国共通の“バイオハザードマーク”がプリントされている容器に入れるか、入れた容器に“バイオハザードマーク”のステッカーを付ける。
※内容の性状に応じてマークの色を分けることが望ましい。=液状や泥状のものは赤色、鋭利なものは黄色、固形状のものはオレンジ色。
【保管中は“取り扱い注意”の表示をする】
感染性廃棄物を保管中は、保管場所に“取り扱い注意”の表示を行う。廃棄物処理法において、保管場所の看板の表示に含める事項とされているのは以下の内容。
- 特別管理産業廃棄物の保管の場所である旨
- 保管する特別管理産業廃棄物の種類
- 保管の場所の管理者の氏名又は名称及び連絡先
まとめ

医療廃棄物は、処分方法に問題があった場合、法令に反するだけでなく、施設内・近隣にまで感染症のリスクを広げる事態も考えられます。
2020年のコロナ禍以降、感染対策に対する意識は非常に高まり、保管・運搬・処分などでさまざまな工夫がなされるようになりました。
エコ・エイトが選ばれる理由
株式会社エコ・エイトでは、特別管理産業廃棄物専用許可車両(メディカル車)によって感染性廃棄物の回収も行っております。医療廃棄物の処分にお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。